応答速度と加速

CMP 170HXは電力を下げても速度を保てる?

実際のリクエストと温度を見ながら、電力上限を一段ずつ調整します。

CMP 170HXを長時間動かすなら、電力上限の調整を試す価値があります。GPU1が使える電力の上限を下げ、発熱と電力使用を抑える方法です。下のGLM 4枚試験では、カードごとの上限を165Wから140Wへ下げると、単一利用者の処理量は約1.4%減り、4 GPUの合計消費電力は113W減りました。

電力上限を変える前に、対応範囲と元の値を記録してください。十分な送風を保ち、同じリクエストで速度・温度・電力を比べると、自分の構成に合う上限を探しやすくなります。

実行条件と要点
  • 電力上限はGPUが使える電力の上限です。下げると消費電力と処理量が変わることがあります。
  • 4枚GLM試験で165W→140Wにすると、単一利用者は418.6→412.7 tok/s、4 GPU合計は650→537Wでした。
  • 試験前に対応範囲と現在の上限を記録し、試験後に元の値へ戻してください。

電力上限はGPUが使える電力の上限です

電力上限(power limit)はGPUが使える電力の最大値を定めます。下げると小さい電力枠で動作し、負荷が上限に達したときクロックや処理量が下がることがあります。電力使用はモデル、入力長、リクエスト数で変わるため、実際に使うリクエストで比較してください。

GPUが報告する電力と、コンセント側で測るシステム全体の電力は測定範囲が異なります。下表の4 GPU電力は4枚分の合計で、CPU2、メモリ、ファン、電源損失を含む壁電力ではありません。

作業台に置かれた1枚のCMP 170HXカードと隣の拡大鏡
設定前にGPUが報告する値と実際の測定位置を区別します。

4枚のGLM試験で電力と処理量を比べます

公開GLM-5.3-Flash試験はCMP 170HXを4枚Tensor Parallel3 4で構成し、カードごとの電力上限を変えました。単一利用者の列は構造化リクエスト1件の出力速度、8利用者の列は8件の合計処理量です。表では単一速度、同時処理量、4 GPU電力合計を分けて示します。

左右にスクロールして各項目を比較できます。

GLM-5.3-Flash TP4 · カードごとの上限、処理量、4 GPU電力
カードごとの上限単一利用者8人合計4 GPU合計
165 W418.6 tok/s822.4 tok/s650 W
150 W418.0 tok/s816.5 tok/s582 W
140 W412.7 tok/s814.2 tok/s537 W
130 W394.9 tok/s785.9 tok/s517 W
120 W374.4 tok/s756.5 tok/s476 W
110 W340.1 tok/s706.8 tok/s436 W
100 W291.9 tok/s627.4 tok/s398 W

測定条件:GLM-5.3-Flash TP4、CMP 170HX 4枚、全カードHBM 1,728MHz、電力上限は稼働中に適用。GPU電力は4枚分の合計で壁電力ではありません。PixelML原記録

カードごとの上限を165Wから140Wに下げると、4 GPU合計は650Wから537Wへ113W減りました。単一利用者の速度は418.6から412.7 tok/sへ約1.4%、8人合計の処理量は822.4から814.2 tok/sへ約1%下がりました。この4枚GLM構成ではどちらの負荷も近い値を保ちましたが、単一と8人の値を置き換えて使うことはできません。

Qwenの180W実行と250W中止は別の条件です

別のQwen3.8-27B 1枚試験は、64GiB、74 SM、HBM 1728MHz、PCIe Gen2 x16のCMP 170HXを強制空冷し、180Wで完了しました。研究者は250Wで試験を開始しましたが、1分以内にメモリ温度が80°Cに達したため中止しました。つまり180Wは完了した試験条件で、80°Cは250W試験での停止点です。メーカー共通の上限温度ではありません。

この結果は4枚GLM表とはモデル、カード数、リクエスト、冷却が異なるため直接比較できません。研究者は別々の公開実行記録に残しています。Qwen 1枚試験の条件とログ

空白のウィンドウがあるモニターと記録用具の横に置かれたCMP 170HXカード
元の電力上限と対応範囲を先に記録してください。

現在値を記録し、一段ずつ変えます

Linuxでnvidia-smi -q -d POWER,TEMPERATURE,CLOCKを実行し、出力を保存してください。カードごとの現在の上限、対応する最小・最大値、温度、クロックを先に記録します。カードが示す範囲を確認する前に、任意の-pl値を適用しないでください。CMP 170HXはパッシブヒートシンクのため、強い強制空冷が機能していることも確認します。

180Wがカード0の対応範囲内にある場合だけ、下の例を使ってください。このコマンドはカード0のみを変更します。適用後は同じリクエストを数回実行し、TTFT4、出力tok/s、電力、メモリ温度を記録します。温度が上がり続けたりエラーが出たりしたら負荷を止めてください。

カード0の元の上限に戻すには、OLD_LIMIT_Wを記録した数値に置き換えて復元コマンドを実行します。たとえば記録値が165Wなら、プレースホルダーを165に変えます。試験結果を保存した後、設定を再度読み取り、記録値と一致することを確認してください。

現在の状態を確認
nvidia-smi -q -d POWER,TEMPERATURE,CLOCK
現在値とカードが対応する範囲を記録してください。
対応範囲を確認してカード0の上限を変更
sudo nvidia-smi -i 0 -pl 180
180Wがカード0の対応範囲内にある場合だけ使用してください。
記録した元の値に復元
sudo nvidia-smi -i 0 -pl OLD_LIMIT_W
OLD_LIMIT_Wを試験前に記録したカード0の実際のW値に置き換えてください。
強制空冷ファンと目盛りのない計器の近くに設置された2枚のCMP 170HXカード
パッシブヒートシンクに強い風を送り、温度を確認してください。

GPU電力差を実際の電力量に換算します

同じ測定点で電力差が100W、1日8時間を30日使うと仮定すると、100÷1000×8×30=24kWhです。これは計算例であり、CMP 170HXの壁電力測定ではありません。GPUの読み取り値をシステム全体の電力と同じ範囲で扱わないでください。

電気料金を見積もるにはシステム全体の電力をコンセント側で測り、実際の稼働時間と契約中の料金プランをサイトの電気料金ツールに入力してください。速度と温度が普段の運用条件を満たす設定だけを使います。

用語の注釈

  1. GPU — 多くの計算を並列に処理するプロセッサーです。AIモデルの実行ではモデル計算を担います。

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  2. CPU — OSや一般的なプログラム命令を実行する中央処理装置です。AIでは前処理やデータ転送などの汎用処理も担います。

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  3. テンソル並列 — モデルの層内の行列や演算を複数の装置に分割して計算する方式です。部分結果をまとめるために装置間通信が必要です。

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  4. 最初のトークンまでの時間 — リクエスト送信から最初の出力トークンが届くまでの時間です。

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よくある質問

この記事で最初に確認すべきことは何ですか?
CMP 170HXを長時間動かすなら、電力上限の調整を試す価値があります。GPUが使える電力の上限を下げ、発熱と電力使用を抑える方法です。下のGLM 4枚試験では、カードごとの上限を165Wから140Wへ下げると、単一利用者の処理量は約1.4%減り、4 GPUの合計消費電力は113W減りました。
選ばないほうがよいのはどのような場合ですか?
Linuxでnvidia-smi -q -d POWER,TEMPERATURE,CLOCKを実行し、出力を保存してください。カードごとの現在の上限、対応する最小・最大値、温度、クロックを先に記録します。カードが示す範囲を確認する前に、任意の-pl値を適用しないでください。CMP 170HXはパッシブヒートシンクのため、強い強制空冷が機能していることも確認します。