新規モデル · 2026.10.16

Nemotron 3.5 Boltの74Bモデルを24GBで動かせる?

モデルの構成と公式プロファイルに沿って最初の回答を確認し、必要なメモリを実機で調べます。

Nemotron 3.5 Bolt 74B-A9Bは大型モデルを圧縮した言語・視覚ハイブリッドモデルです。NVIDIAのllama.cppレシピを使ったダウンロードとGPU1メモリ別の実行方法を紹介します。

Nemotron 3.5 Bolt 74B-A9Bは、質問やツールの結果を受け取り、複数段階のエージェント処理を行うローカル言語モデルです。74Bは総パラメーター数、A9Bは1トークン2の処理で有効になるパラメーター規模を示します。小型モデルを一から学習する代わりに、大型のNemotron 3.5 Super VLを構造圧縮し、重みを強く量子化3して小規模システムで動かす設計です。NVIDIAのモデル解説

公式GGUF4をダウンロードしてllama.cppで実行し、GPUメモリ別の推奨コンテキスト長と最初の応答を確認します。配布物はメインモデル、画像プロジェクター、DFlash draftモデルに分かれているため、用途に必要な構成を選んでください。公式GGUFモデルカード

実行条件と要点
  • 74Bは総パラメーター数、A9Bはトークンごとの有効パラメーター規模を示し、GGUFファイル容量はファイルごとに別途表示されます。
  • expert重みはIQ2_XXS、Mamba線形層はNVFP4、一部の構成要素はQ8_0で量子化されています。
  • メモリ計画ではモデル重みのほか、コンテキスト状態、実行バッファ、他のアプリも考慮します。

74Bモデルのexpert重みを2bitに圧縮

NVIDIA Nemotron 3.5 Bolt は、質問やコードなどのプロンプト5を受け取り、回答を生成する 74B モデルです。24 GB 構成で実行できるよう、大部分の expert 重みを 1 要素あたり 2.0625 ビットの IQ2_XXS で保存し、低精度での品質を補うため量子化対応蒸留(QAD)を適用しています。

24 GB 構成のメモリ予算は batch size6 1、128K コンテキストを基準にしています。NVIDIA が推奨する実行時のコンテキスト長は GPU メモリに応じて 65,536 または 262,144 トークンです。

精度は構成要素ごとに異なります。Mamba線形層はNVFP47、lm_head・トークン埋め込み・attention8・Latent MoE9重みはQ8_0で保存されます。モデルカードのGGUFファイル一覧から、使用するメインモデル、画像プロジェクター、drafterの保存容量を合計できます。

各トークンの処理ではrouterが一部のexpertを選び、MambaとTransformer10のブロックも計算します。A9Bはトークンごとに有効になるパラメーター規模です。速度を比べるときはメモリ帯域、ランタイム11カーネル、GPUオフロード12、入力長、同時リクエスト数も記録してください。

モニター、小型コンピューター、デスクトップPCが置かれた作業机
自分のPCでモデルを読み込み、最初の回答を確認します。

24GBのPCで最初に確認すること

GPUとCPU13の配置を分けてメモリを確認します。GPUに置いた重み・KV cache14・計算バッファの使用量はVRAM15の空きと比べます。CPUに残したモデル部分と、OS・ブラウザー・エディターが使う量はシステムRAM16の余裕と合わせて確認してください。GPUレイヤーのオフロード量を変えると、両方のメモリ使用量も変わります。

実行前に、モデルカードでGGUFの正確なファイル名とダウンロード容量、drafterファイルを確認します。llama.cppはMambaと該当する量子化形式に対応したビルドが必要です。古いランタイムではメモリ以外の理由で読み込みに失敗することがあるため、モデルカードの案内とインストール済みランタイムのリリース説明を照合してください。NVIDIAのBolt測定環境ではWindows 11 ARM x64上でllama.cppを使用しました。

RTX搭載デスクトップでは、全レイヤーをGPUメモリに置くか、一部をシステムメモリへオフロードするかをランタイムが選べます。一部のオフロードで実行できても、メモリ経路が変わるため処理速度は大きく変わる可能性があります。まず短いコンテキストと単一リクエストで始めます。タスクマネージャーの専用GPUメモリ、システムメモリ、ランタイムログを確認し、安定して応答したら入力長を増やして次の制限を切り分けます。

llama.cppで最初の回答を確認する

WindowsではPowerShellで winget install llama.cpp を実行します。クイックスタートを起動するとモデルをダウンロードし、http://127.0.0.1:8080にローカルチャット画面を開きます。短い質問を送り、回答を確認したらCtrl+Cでサーバーを終了します。RTX 5090では下の公式プロファイルを別に起動できます。NVIDIA GGUFモデルカード

初回はターミナルにモデル名とダウンロードの進行状況が表示されます。ロード完了後、サーバーは準備完了メッセージとアドレスを出力します。同じPCのブラウザーで開き、「次の文を一文で要約してください:モデルは質問を受け取り、回答を生成します」と送ってください。内容に沿った要約が返ればテキスト推論が動いています。速度を比べるときはファイルのロード、最初のトークンまでの時間、生成中token/sを分けて記録します。

RTX 5090の32GB VRAMはNVIDIAの32GB以上のdGPUレシピ対象です。モデルカードと同じファイル名でメインGGUF、mmproj、LiLiCorr drafterを取得し、PowerShellのパスを設定して起動すると、コンテキスト65,536・1シーケンス・DFlash最大6トークン・Q8_0 KV cacheで動作します。クイックスタートは自動ダウンロード、下のプロファイルは3ファイルを直接読み込む方法です。クイックスタートをCtrl+Cで終了してから起動してください。NVIDIA Windowsレシピ

初回実行でunsupported tensorが出たら、llama.cppの版とモデルカードの対応形式を照合します。CUDA17 allocation errorなら、まずコンテキストとバッチサイズを下げ、Windowsタスクマネージャーで専用・共有GPUメモリを確認します。サーバー起動後にブラウザーが接続できない場合は、ターミナルに表示されたポートが8080か確認し、同じPCの127.0.0.1を開きます。

Windowsでllama.cppのクイックスタートを実行
winget install llama.cpp
llama serve -hf nvidia/NVIDIA-Nemotron-3.5-Bolt-74B-A9B-24GB-GGUF --host 127.0.0.1 --port 8080
モデルをダウンロードし、`http://127.0.0.1:8080`で短い質問を試します。サーバーを終了するにはターミナルでCtrl+Cを押します。
RTX 5090プロファイル用のGGUFを直接ダウンロード
python -m pip install --upgrade huggingface_hub
$env:MODEL_DIR = Join-Path $PWD.Path "models\nemotron-bolt"
hf download nvidia/NVIDIA-Nemotron-3.5-Bolt-74B-A9B-24GB-GGUF `
  NVIDIA-Nemotron-3.5-Bolt-74B-A9B-24GB.gguf `
  mmproj-NVIDIA-Nemotron-3.5-Bolt-74B-A9B-24GB.gguf `
  --local-dir "$env:MODEL_DIR"
hf download nvidia/NVIDIA-Nemotron-3.5-Bolt-74B-A9B-24GB-LiLiCorr-GGUF `
  NVIDIA-Nemotron-3.5-Bolt-74B-A9B-24GB-LiLiCorr.gguf `
  --local-dir "$env:MODEL_DIR"
$env:MODEL = Join-Path $env:MODEL_DIR "NVIDIA-Nemotron-3.5-Bolt-74B-A9B-24GB.gguf"
$env:MMPROJ = Join-Path $env:MODEL_DIR "mmproj-NVIDIA-Nemotron-3.5-Bolt-74B-A9B-24GB.gguf"
$env:SPEC_DRAFT = Join-Path $env:MODEL_DIR "NVIDIA-Nemotron-3.5-Bolt-74B-A9B-24GB-LiLiCorr.gguf"
このブロックでプロファイル用ファイルをダウンロードし、パスを設定します。完了後、同じPowerShellで次のサーバーコマンドを実行します。
RTX 5090向けNVIDIA公式28GBサーバープロファイル
$env:MODEL_DIR = Join-Path $PWD.Path "models\nemotron-bolt"
$env:MODEL = Join-Path $env:MODEL_DIR "NVIDIA-Nemotron-3.5-Bolt-74B-A9B-24GB.gguf"
$env:MMPROJ = Join-Path $env:MODEL_DIR "mmproj-NVIDIA-Nemotron-3.5-Bolt-74B-A9B-24GB.gguf"
$env:SPEC_DRAFT = Join-Path $env:MODEL_DIR "NVIDIA-Nemotron-3.5-Bolt-74B-A9B-24GB-LiLiCorr.gguf"
llama-server.exe `
  --model "$env:MODEL" `
  --mmproj "$env:MMPROJ" `
  --batch-size 2048 `
  --ubatch-size 512 `
  --ctx-size 65536 `
  --parallel 1 `
  -ngl 999 `
  --spec-type draft-dflash `
  --spec-draft-n-max 6 `
  --spec-draft-model "$env:SPEC_DRAFT" `
  --spec-draft-ngl 999 `
  --cache-type-k q8_0 `
  --cache-type-v q8_0 `
  --temp 1.0 `
  --top-p 0.95 `
  --flash-attn on `
  --jinja `
  --host 127.0.0.1 `
  --port 8080
正確なGGUFを`models\nemotron-bolt`に置いて、このサーバーだけを起動します。確認後はCtrl+Cで終了します。
内部モジュールが見えるラックサーバーのシャーシ
重みとコンテキスト状態の両方を考えて実行メモリを決めます。

RTX Sparkで公開された生成・エージェント処理速度

NVIDIAは128GBのSurface Laptop Ultra内のRTX Sparkで、Windows 11 ARM x64とllama.cppを使ってモデルを比較しました。AIPerf SPEED-Bench-Codingは生成速度を測り、AA-AgentPerf Localは複数段階のタスクを再生します。各モデルの結果と条件は、同シリーズの「Nemotron BoltとQwen3.8-27Bの比較」記事の表にまとめています。ここでは指標が表す処理の違いを押さえます。

TPSは固定入力に対する生成処理量、replay durationはツール使用を含む所定のagent処理群の完了時間です。短いコード補完ではTPSと最初のトークンまでの時間を、複数のツールをつなぐ処理では全体のreplay時間を先に見ます。

公開値を自分のPCに当てはめるのではなく、実際に任せたい処理を一つ選び、同じプロンプト・文書・ツールで試します。まず短い入力で回答品質と最初のトークンまでの時間を記録し、その後、普段の文書と繰り返すツール呼び出し18を加えて全体時間・VRAM・失敗数を比較すると、設定を変える理由が明確になります。

候補にする用途と比較から始める用途

Boltを検討する価値があるのは、データセンターではなくRTX系やDGX Sparkで、総規模70B級のモデルを使ってエージェント処理を試したい場合です。ターミナル操作、ウェブ閲覧、複数段階の計画などNVIDIAの評価タスクを目的にするなら、まずモデルカードのプロンプト形式を合わせてください。品質とツール呼び出しの信頼性は指示文・ツール・安全設定に左右されるため、実運用の自動化へ接続する前にサンドボックス19で各処理を検証します。

24GBカードでBoltを試す場合は、まずCPU/RAM優先コマンドで回答が返るか確認し、動作した設定からGPUレイヤーを増やします。設定を一つずつ変えるのは、モデルのロード失敗とGPUメモリの制限を切り分けるためです。具体的な開始コマンドは3090・5090ガイドにあります。

机上の小型コンピューターと奥のサーバーラックが見える作業室
使う予定のPCでコンテキスト長とリクエスト数を試します。

用語の注釈

  1. GPU — 多くの計算を並列に処理するプロセッサーです。AIモデルの実行ではモデル計算を担います。

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  2. トークン — モデルが入力や出力を分けて処理する単位です。

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  3. 量子化 — モデルの重みや計算値を少ないビット数で表し、保存容量やメモリ使用量を減らす方法です。表現が粗くなるため、精度にも影響することがあります。

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  4. GGUF — モデル情報を格納するファイル形式で、llama.cpp系のツールで広く使われます。

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  5. プロンプト — モデルに送る入力文です。生成モデルでは作りたい結果を説明する文になり、出力の構成や内容を大きく左右します。

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  6. バッチサイズ — 1回の処理単位にまとめる入力またはリクエストの数です。

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  7. NVFP4 — NVIDIAが定義した4ビット浮動小数点データ形式です。対応状況はGPU世代、モデル、ソフトウェア実装によって異なります。

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  8. Attention — 入力トークン間の関連度を計算し、各位置の情報を現在の表現に反映するニューラルネットワーク演算です。

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  9. MoE — 複数の専門家サブネットワークから入力に応じて一部を選ぶモデル構造です。総パラメータ数と1トークン処理時に有効な数は異なることがあります。

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  10. Transformer — 入力内の関係をAttentionを中心に計算するニューラルネットワーク構造です。言語のほか、画像・音声・動画モデルにも使われます。

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  11. ランタイム — プログラムの実行時に必要な機能を提供するソフトウェア環境です。ローカルAIではモデル実行エンジンを指すこともあります。

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  12. オフロード — 容量が足りないとき、モデルデータの一部をGPUメモリからシステムRAMやストレージへ移して処理する方法です。データ転送が追加されます。

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  13. CPU — OSや一般的なプログラム命令を実行する中央処理装置です。AIでは前処理やデータ転送などの汎用処理も担います。

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  14. KVキャッシュ — 過去トークンのAttention用キー・バリューを保存し、後続トークン生成で再利用するメモリです。容量はコンテキスト長やバッチサイズで変わります。

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  15. VRAM — グラフィックカードのGPUが使うメモリです。モデルの重みや計算途中の値を保存します。

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  16. システムRAM — プログラムの実行中にデータを一時保存するシステムメモリです。

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  17. CUDA — NVIDIA GPUで汎用計算を行うソフトウェア基盤です。

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  18. ツール呼び出し — ファイル読み取り、検索、コマンド実行などの外部機能を、名前と引数でモデルが要求する形式です。実行の有無はエージェントランタイムと権限設定が決めます。

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  19. サンドボックス — プログラムがファイル、ネットワーク、ホスト機能にアクセスできる範囲を制限する隔離環境です。保護範囲はマウント、ネットワーク、実行権限の設定で変わります。

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よくある質問

この記事で最初に確認すべきことは何ですか?
Nemotron 3.5 Bolt 74B-A9Bは大型モデルを圧縮した言語・視覚ハイブリッドモデルです。NVIDIAのllama.cppレシピを使ったダウンロードとGPUメモリ別の実行方法を紹介します。
必要なメモリはどのくらいですか?
24 GB 構成のメモリ予算は batch size 1、128K コンテキストを基準にしています。NVIDIA が推奨する実行時のコンテキスト長は GPU メモリに応じて 65,536 または 262,144 トークンです。
条件と出典はどこで確認できますか?
精度は構成要素ごとに異なります。Mamba線形層はNVFP4、lm_head・トークン埋め込み・attention・Latent MoE重みはQ8_0で保存されます。モデルカードのGGUFファイル一覧から、使用するメインモデル、画像プロジェクター、drafterの保存容量を合計できます。